2025-9-10 マクレランドの欲求理論

アメリカの心理学者、デイビッド・C・マクレランドによるモチベーションに関する理論。従業員の行動には「達成動機」「親和動機」「権力動機」「回避動機」のいずれかの動機が存在するというものである。組織内における個人の行動や選択を理解するのに役立つシンプルなフレームワークであるため、動機付けや人材マネジメントの場で広く活用されている。

マグレガーのX理論・Y理論と同じく、人間はこれほど簡単に類型化できるほど単純ではないが、例えば自分の部下は4つの動機のうちどの傾向が強いかを観察してみることは、その人へのアプローチのしかたを考える上で参考にはなる。

・達成動機・・・目標を設定し、それを達成することへの強い欲望を特徴とする欲求。この欲求が強い人は挑戦的で定量的な目標を好み、自らの能力向上に重きを置く。

・親和動機・・・他者との良好な関係を築きたいという願望を中心に据えた欲求。この欲求が強い人は協調性を重んじ、他者とのつながりや集団への所属感を求める。

・権力動機・・・他者や状況に影響を与えたいという願望を中心とする欲求。この欲求が強い人は、リーダーシップを発揮する機会を求め、組織の中での地位を重視する。

・回避動機・・・何よりも失敗を回避することを中心に据える欲求。この欲求が強い人は、目標設定自体を避けようとする傾向があり、批判を恐れて周囲に合わせようとする。

マクレランドはのちにこの説を発展させ、優秀な人材の行動要素を抽出してモデル化し、組織メンバーの行動評価基準とすることを提案した。この「コンピテンシー理論」もこれ以降の組織行動論に大きな影響を与えた。