2025-10-3 リーダシップの行動類型論

リーダーシップを習得可能なスキルとして捉え、優れたリーダーに共通する具体的な行動パターンに注目する理論。リーダーシップを「学習によって身につけられるスキル」と見るところが特性理論との最大の違いである。この学派にはさまざまな研究成果があるが、彼らの最大の功績は、リーダーシップを「選ばれた人たちの特権」から「努力次第で誰にでも身につけられるもの」という認識に変えたことである。このパラダイムシフトが、これ以降のさまざまなリーダーシップ開発の動機になったことは間違いない。

行動類型論に区分される研究に共通する特徴は、「組織が成果をあげること」と、「メンバーのやりがいや成長」の二軸を設定し、その両方を高めるようなリーダーシップのあり方を追求することである。1940年代から50年代にかけて、アイオワ研究、オハイオ研究、ミシガン研究を経、PM理論とマネジリアルグリッドで学説として一応の完成を見る。

実用性・汎用性が高く、応用範囲も広い行動類型論であるが、欠点としては、対象とする人物だけに焦点を当てた理論であるということが挙げられる。現実の社会においてリーダーシップが求められる場面では、その状況に至る経緯、使用可能な経営資源、所与の制約要因など、さまざまな外部要因が存在する。優れたリーダーはそれぞれの状況に合わせて取るべき態度や行動を変えるのだが、行動類型論はこうしたリーダーの適応能力をカバーすることができない。

こうして1960年代からは、「全ての状況でベストなリーダーシップなど存在せず、チームが置かれている状況によって有効なリーダーシップは異なる」とする「コンティンジェンシー(状況適合)理論」が主流になっていくことになる。