2025-10-9 コンティンジェンシー理論
どんな状況でも通用する唯一のリーダーシップといったものは存在せず、その組織が置かれた状況によって好ましいリーダーシップのあり方は異なる、とするリーダーシップ論。「状況適合論」とも言う。
アイオワ研究やオハイオ研究に代表される行動類型論の調査研究では、好ましいリーダーのふるまいを一定程度明らかにすることができたが、結果の中には無視できない数の例外も存在した。また、PM理論やマネジリアルグリッドにおいて現実の組織に適用しようとすると、正しいはずの行動が有効に機能しないケースも多く観察された。こうしたことから、リーダーの行動の分析だけでなく、置かれている状況にも目を向ける必要があることが認識され始め、コンティンジェンシー理論が展開されるようになった。「いいリーダーシップって、ケースバイケースだよね」という、これまた言われてみれば当たり前のことを理論化しようとする試みと言える。
なお、一口に「状況」と言っても、外部環境、組織内部の環境、集団の特性、課題の性質など、考慮すべき要素はさまざまである。コンティンジェンシー理論は、こうした要素を一つずつ取り上げて、「こういう場合にはリーダーのこういう行動が効果を上げる」という仮説を検証していく。代表的な理論に「フィードラーのコンティンジェンシーモデル」や「パス・ゴール理論」がある。

