2025-10-19 組織ルーティン
組織内で繰り返し用いられる手続きや進め方の総称。公式の文書として制度化されているものだけでなく、暗黙知として共有されている組織文化や社風も含まれる。いわば組織の行動プログラムであり、ルーティンが存在することで業務を遂行するための「認知負荷」を軽減することができる。平たく言えば、いちいち考えることなく半ば自動的に仕事をこなせるので、余裕を持って仕事を進められるということである。
ルーティンは安定した環境下では組織に余力と安心感をもたらす。日常業務に余裕が生まれるから、新しい仕事、例えば新事業のタネを探すといった探索活動もできるようになる。また、そもそも組織の中に新しい知識を埋め込もうとすれば、一つの「型」になるまでそれを繰り返すしかない。ルーティンを生み出す作業そのものが組織学習である、という言い方もできるだろう。
一方で、ルーティンはいったん定着すると、それがなぜ存在するのか、何のためにそれを行っているのか、という問いを立てられることがほぼなくなる。導入当初は業務の円滑化に有効であったルーティンでも、内外の環境変化でそれが機能しなくなるというケースは十分に考えられるし、むしろその方が普通である。だが、定期的に既存のルーティンを点検する、といった作業が行われている組織は、実際には非常に少ない。
リーダーは組織に既存の枠組みを超えた「ダブルループ学習」を仕掛け、いまあるルーティンを揺さぶることをルーティンとしなければならない。機能しなくなったものを捨て、あるいは変化させ、新しいルーティンを導入しなければならない。

