2025-10-22 組織変革への抵抗(心理面)
組織変革に抵抗が生じる理由を心理面から考察する。
・責任の発生・・・変革が行われなければならないということは、これまでのやり方を失敗と認めることにつながり、誰かが責任を取らなければならない状況を生む。本人はもちろん、周囲もそれを望まない(責任を取りたくない、取らせたくない)場合、変革そのものを忌避する行動が選択される。
・希望的観測・・・埋没費用が表面化するのを避けたいがゆえに、今度こそは成功するだろうという期待をもって従来の行動を継続する。巨額の費用をかけた国家プロジェクトであったために誰も開発中止を言い出せなかったフランスの超音速旅客機の事例にちなんで「コンコルド効果」と呼ばれる。
・過小評価・・・変革の必要性を示す兆候が入手できたとしても、それを解釈する人は既存の組織文化に依拠しているため、それらの重要性を過小評価するケースがある。あるいは、本当は自組織にとって脅威となるかもしれない出来事を好意的に解釈してしまう、といったこともある。
・前例主義・・・環境の変化により変革の必要性が認知されても、その対応として従来慣れ親しんだルーティンを採用してしまう。「これまでこのやり方でうまくいってきた」という思考パターン。状況が違うのだから、本来は対応も異なるのが当然である。

