2025-10-25 ナレッジマネジメント
組織内の知識や情報を効果的に蓄積し、共有・活用しようとするプロセスの総称。組織内の知識や情報は、その多くが個人が保有する「暗黙知」の形で存在する。これを「形式知」の形に見える化し、みんなで使おうとする考え方である。
ナレッジマネジメントの効果としては以下のようなことが考えられる。
・業務の効率化・・・必要な情報にすぐにアクセスできるようになり、作業時間が短縮される。同じような作業が人それぞれ別のやり方で行われているような場合には、それを共有しようとするプロセスの中でベストプラクティスに収斂され、効率的な作業標準が確立するといった効果も期待できる。
・ノウハウの継承・・・ベテランが長年にわたって磨き上げたノウハウを効率よく次世代に継承することができる。部門をまたいだ人事異動やジョブローテーションも行いやすくなり、人材の育成に資する。
・新たな価値の創出・・・知識や情報が次々と蓄積され、活用されていく中で、それまでの枠組みを超えた新たな価値が創出される。新しい発想や工夫が生きるのは、過去の知識が体系的に整理されていればこそである。
ナレッジマネジメントの手法としては、アナログとデジタルに大別される。アナログの手法は、例えば組織内のコミュニケーションを促進し、知識の移動や共有が自律的に行われるような場づくりであったり、メンター制度によるOJTといったものである。これは人と人との信頼関係をベースにしたやりかたであるから、フェイストゥフェイスが基本になる(個人的には、リモートワークの大きな弱点はここだと筆者は考えている)。
デジタルの手法は、ITツールを活用した知識のデータベース化や、コミュニケーションツールの活用である。最近はさまざまな機能を持つツールが安価で提供されており、うまく使えば業務の効率化には効果が大きい。ただ、実運用にはそれを実際に使う人たちの動機付けや腹落ちが必須であり、ツールを導入したからナレッジマネジメントが進んだ、ということにはならない。

