2025-11-5 社内公募制度
新規事業・新規プロジェクトなどを立ち上げる際、その担い手を広く社内から公募する制度。通常の人事異動と異なり、応募者は直属の上司を通さずに自らの意思で希望を出せる。選考の結果、応募者と当該部署の条件が一致すれば異動が実現する。
自ら手をあげる制度だからやらされ感は皆無であり、意欲の高い人材を登用することができる。そういう制度があることで、本人だけでなく周囲の士気も上がる。運用の結果として人の動きが活発化し、組織全体が活性化するといった効果も期待できる。
一方で制度の運用には手間がかかるし、意欲はあるがスキルが伴わないといったミスマッチが生じるリスクもある。落選者の士気低下にも配慮する必要が出てくる。一番困るのは皆が様子見ムードの中、せっかく公募しても希望者が全然出てこない状況である。このときの「やるんじゃなかった」という白けた雰囲気は何とも表現しにくいものがある。こういうものは制度を導入するより先に「出る杭は打たれる」的な風土を払しょくすることを優先すべきであろう。
社内公募とよく似た制度に「社内FA 制度」がある。こちらは一定の条件を満たした従業員が希望する部署に自ら異動を申請できる制度である。従業員は成績や在籍年数など、あらかじめ決められた基準を満たせば、希望する部署に自らを売り込み、直接交渉することができる。モチベーションの向上や適材適所を狙う点では社内公募と同じであるが、異動ニーズの起点が会社でなく従業員である点が異なる。

