2025-12-12 マーケティング目標の設定
マクロとミクロ、および自社の環境が把握できたら、対象となる商品・サービスのマーケティング目標を設定する。決まったやり方があるわけではないが、初めに期待する成果を明確にしておかないと、実行したマーケティング活動を後で評価することできず、継続や追加投資の可否の判断をすることも難しくなる。
設定すべき目標には定性的な目標と定量的な目標があるが、定性的な目標を優先して設定することをお勧めする。すなわち「(ニーズのあるはずの)どのような顧客に」「(競合に対して優位性のあるはずの)どんな商品・サービスで」「どのような(新しい)価値を提供し」「それをどのように届けるのか」という戦略骨子である。失敗するマーケティング活動の事例には、この基本的な部分が曖昧であったり、そもそも無理があるというものが多い。
売上や利益などの定量的な目標をどの程度の粒度で設定するかはケースバイケースだが、自社にとって類似の経験の少ない、チャレンジングなマーケティングである場合はさほど精緻に設定する必要はない。ただ、想定する時間軸に沿ってある程度の(桁が違わない程度の)目安は示しておかないと、そもそも計画の可否を論じることができない。笑い話のようだが、世の中には数字を全く示さず「とにかくやらせてくれ」という提案が数多く存在する。よほどビジネスモデルの筋がいいと上層部が判断するか、提案者の実績が卓越しているか、何らかの特殊な背景がないと普通は通るものではない。
利益については、粗利高に加えて、売上を獲得するために犠牲になった費用を差し引いた、疑似的な「営業利益」の額も設定しておかないと、その活動を評価するには不十分である。先行する費用や運転資金を考慮して、「資本利益率(ROI)」まで提示できればなおよい。
定量的な目標として市場シェアを示す場合は、他社との競争関係を考慮して、自社にとって最も事業効率の良い立ち位置を設定したい。採用する競争戦略が「低コスト戦略」であれば市場全体のトップシェアを獲得することが命題になるし、限られた顧客に独自性の高い商品を販売するのであれば「小さな池の大きなカエル」の立場を狙うことになる。ドラッカーの言うように、市場において目指すべきは「最大でなく最適」である。

