2026-2-2 ブランドエクイティ
ブランドそれ自体を企業の資産として捉える概念。ブランドは人々の認知や信頼、感情的なつながりといったものの集合体であり、企業の競争力の源泉でもある。だとすれば、目には見えず、財務諸表に載ることもないが、それは企業の資産としてカウントすべきであろう、という考え方である。米国の経営学者、デビッド・アーカーが最初に提唱した。無形資産の可視化という意味では、最近よく耳にする「人的資本」という考え方に近い部分がある。
ある企業のブランドエクイティを金銭的価値で評価するオーソライズされた手法があるわけではないが、一般的には企業価値の測定と同じく、「コスト・アプローチ」「キャッシュフロー・アプローチ」「マーケット・アプローチ」という三つのやり方のうちどれか、あるいは複数組み合わせて採用される。
ブランドエクイティの要素としては、同じアーカーが主張した下記の5つが大方の支持を得ている。
・ブランド認知・・・あるブランドを尋ねたとき、その名前を知っているかどうかということ。知っていれば、どの程度正確な情報を持っているかということと合わせて測定される。
・知覚品質・・・ひとりひとりの主観に基づく当該ブランドの総合的な品質。言ってみれば製品への信頼感である。多くの人はメルセデスベンツの具体的な性能は知らないが、高品質だという知覚品質を持っている。
・ブランドロイヤルティ・・・当該ブランドに対するその人の忠誠心。どの程度の愛情や執着があるかということ。ロイヤルユーザーであるかそうでないか、というのははっきり区分される傾向があり、他の4要素とはやや趣の異なる(取り扱いを変えるべき)要素だと考えられている。
・ブランド連想・・・ある人のイメージの中での、当該ブランドとある事柄の結びつきの強さ。象印と聞いて魔法瓶どの程度とつながるか、といったこと。
・その他の資産・・・一般的には、特許や商標などのいわゆる知的資産、取引先や協力先との強い関係性などを指す。
ブランディングに重きを置く企業はこれらの要素を定期的に測定し、改善策を実行する。マーケティング部門のKPIにもなる。

