2026-2-26 その他の価格政策
これまでに紹介した価格政策以外にも、特定の製品・サービスやビジネスモデルに即した具体的な価格政策は数多く存在する。そのうちのいくつかを列記する。
・ロスリーダー政策・・・特定の商品を原価割れするほどの低価格で販売し、それを目玉商品(おとり)として大きくプロモーションすることによって集客を図るやり方。その商品単体で儲けるのではなく、来店客がついで買いする他の商品と合わせ、トータルで利益を出すことが目的である。「卵1パック98円」といったスーパーの特売チラシを思い浮かべればよい。
・ハイ・ロープライシング・・・特売などにより通常より安い価格で提供したり、特売を中止して通常価格に戻したりといった、価格の上下動を意識的に繰り返す政策。これもスーパーなどで日常的に観察できる手法である。消費者はその日安くなっている商品を発見する楽しさを感じることができる。ただし、これには多くの商品で値崩れを引き起こし、通常価格の時には売れにくくなるというリスクが伴う。
・エブリデイロープライス(EDLP)政策・・・ハイ・ロープライシングとは逆に、特売を行うことなく常に低価格で販売し、買い物トータルでのコストパフォーマンスと、低価格に取り組む企業姿勢を訴求する手法。日本ではある時期、西友が当時親会社であったウォルマート流のやり方を持ち込んで展開したが、日本の消費者には刺さらなかった。
・サブスクリプション政策・・・製品やサービスを一度きりの売り切りで提供するのではなく、月額や年額の定額料金を支払うことで一定期間「利用する権利」を提供するビジネス。動画や音楽配信、ソフトの提供サービスなどを思い浮かべるが、近年はあらゆる分野で急速に普及している。買い切りで必要な初期投資が不要で、気軽にサービスを試すことができるし、常に最新のサービスを利用できるメリットがある。企業側にとっても定期的に決まった収入が見込める上、長期継続してもらえれば買い切りよりも大きな収益を得ることができる。
・フリーミアム政策・・・製品やサービスの基本的な機能は無料で提供し、より高度な機能や容量の追加、広告の非表示といった付加価値に対して課金する手法。無料で導入のハードルを下げ、多くの人に試してもらった後、その中からさらに当該サービスを使い込みたい人たちを有料プランに誘導してマネタイズする。ユーチューブなどの動画配信やストレージサービス、最近ではChatGPTなどの生成AIもこのタイプである。

