2026-3-6 管理型VMS
企業型VMSや契約型VMSのように所有や契約という形式をとらないが、チャネル内の複数の企業が協力し合い、流通の効率化や販売の拡大を図っていく流通形態である。この形を取る業界では、規模や技術、あるいは権利関係等で優位にある企業がチャネルキャプテンとなり、他の企業との利害を調整するケースが多い。チャネルキャプテンの統制力は企業型や契約型ほど強くないものの、チャネルを構成する各プレーヤーの思惑がある程度揃っている場合には、情報不足や利害の対立から生じる商流間の軋轢を軽減させる効果がある。流通システム全体の柔軟性が高いので、外部環境の変化にも対応しやすい。
管理型VMSで真っ先に想起されるのは、日本の自動車産業における「ケイレツ」である。数多くの部品メーカーが重層的かつ継続的な取引関係を持ち、頂点に君臨する巨大な完成車メーカーに依存する流通形態である。ケイレツを構成する企業同士は基本的に資本関係を有していないし、長期的な取引関係を約束する契約を結んでいることも少ない(もちろん例外はある)。しかしながら、彼らの結びつきは極めて強固かつ排他的であり、ケイレツ外にある企業がこのチャネルに新規参入するのは至難の業である。
自動車業界ほどでなくても、部品メーカーと完成品メーカー、メーカーと卸、卸と小売といった商流の各段階で、チャネルキャプテンの社名を冠した「〇〇系」といった疑似ケイレツが自然発生する現象はあらゆる業界で観察される。

