2026-6-26 実践者の資質はセンスなのか
それではこのような実践者としての資質、すなわち「事前に立てた仮説に囚われず、現場の状況に合わせて即興的に対応する」という能力は、持って生まれたセンスなのか?苦手な人は一生できないのか?
少し調べてみると、ショーンもシャインも、「訓練により習得が可能」と述べている。彼らはこの資質を磨くための方法として、それぞれ言い方は違うが、「優れた指導者による指導」の重要性に言及している。つまり、自分が現場でどうふるまったかを、さらに上の先輩プロフェッショナルと一緒に、徹底的に解剖してもらう経験。これを通してでしか、リアルタイムの反射神経は養われないというのである。
なるほど、冷や汗もの間違いなしのトレーニングではあるが、効果はありそうだ。しかし、それにしても受け手側の課題はありそうである。いくら指導を受けても、それを真摯に受け止め、次の機会にチャレンジする姿勢を持たないコンサルタントは、やはりそこどまりであろう。未熟な自分をオープンにできない自尊心も、実践者への道を阻む壁になりそうである。
結局のところ、そうした人間としての根っこの部分については、訓練によって変えられる部分ではなさそうだ。成長のために自分に圧をかけ続けられる人だけが、真の実践者になれると言えるのではないか。
もうひとつ、今の筆者にはそういう「優れた指導者」に該当する存在はいない。筆者に限らず、個人開業のコンサルタントの場合は、先輩と師弟関係になって指導を受ける、というケースをあまり見かけない。腕を磨く方法としては、せいぜい診断士の協会や民間が主催する「コンサル道場」的なものに参加する程度である。これはおそらく、経験年次に関係なくコンサルは全てライバル関係にあること、したがって未熟なコンサルを指導することは自分の敵を増やすことになる、という業界構造に原因がある。
しかし、である。せっかく豊富な知識を持ちながら、それを実践に落とすところでつっかえてしまうコンサルが多いとすれば、それはある意味、国家の損失である。企業や組織にフルポテンシャルを出してもらえるよう、腕を磨いた「実践者」がたくさんいる(もちろん実践者になれず脱落する人も多いのだけれども)。こんな環境が理想には違いない。
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