2026-7-2 創造性のマネジメント
アマビールのもう一つの歴史的な貢献は、「創造性は才能でなく、マネジメントできる」という発想を広めたことだと思う。それ以前にも創造性研究はあったが、「創造的な人」と「そうでない人」を分ける個体差の研究が中心であった。生まれ育った環境や経験の差が人の創造性にどう影響するのか、創造的な人を育てるにはどういう教育をすればいいか、といったことが研究テーマだったのである。
アマビールはそこから一歩進めて、「マネジメントが介入することができる要素」を示した。例えば、
・内発的動機づけを高めるにはどんな接し方をすればよいか。
・どんなフィードバックが創造性を育てるのか。
・どんな評価制度が挑戦を後押しするのか。
といったことである。これらは全て、組織が介入し影響を与えることが可能な要素である(もちろん正と負、両方の影響である)。
アマビール自身もこうしたテーマについて研究しているが、むしろ学術史上の意義は、こうした考え方が後の「心理的安全性」「デザイン思考」「アジャイル開発」といった、創造性マネジメントの潮流を作ったことにあると考えられる。
もちろん創造性に個人差はある。しかし、それはマネジメントによって一定の影響を与えることができる能力である。取り組みへの意思とやり方によって、人の創造性、ひいては組織全体としてのイノベーション能力を大きく引き上げることも可能である。アマビールが言いたいのは、そういうことであろう。
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