2026-7-5 チームイノベーションの条件

ウェストが提唱したチームイノベーションの条件についてもう少し考えてみる。

まず「目的/ビジョンの共有」である。個人でやるのと違い、チームで物事を進めるのだからまずゴールのイメージを揃えなければならない。これをやることによって何を実現したいのか、何が達成されればゴールテープを切ったことになるのか、という頭ぞろえが最初にくる。これはマネジメントの出発点を「成果」に置いたドラッカーの考え方に近い。

「チーム内の知識/スキルの多様性」。アマビールが「専門知識」としたところを「多様性」に置き換えているところが面白い。確かにいくら専門性が高くても、ものの見方が同じ人たちの集団からは新しい発想は生まれにくい。

「建設的な議論/異論」も同じ文脈にある。アマビールはこの部分を「創造的思考力」としたが、個人レベルの思考にはどうしても多面性に欠ける恨みがある。つまり、その人が「面白そう」と思うだけで次に進めてしまう。しかし、チームになると例えば「本当に顧客価値があるの?」「ほかにもっと良い方法なないの?」という対話が生まれる。これはアイデアを強くするための建設的な批判であり、このプロセスを経て一定のアイデア品質が担保されることになる(もっともその分、個人がやるのに比べてスピード感には劣る。また、アイデアの尖鋭性が失われていくリスクもあり、このあたりは痛しかゆしの面がありそうである)。

「参加安全性」はこの建設的な批判を成立させるための必要条件であろう。良かれと思って出した異論を頭ごなしに否定されたり、後々の人間関係に引きずられたりしたらとても発言などできない。

こうして見てくると、ウェストの理論はイノベーション創出の枠を超えて、チームマネジメント全般、部課単位のあらゆる仕事に適用できそうである。どうもうまく仕事が進まない、と感じる課長さんは、一度自部門をこの4要素の観点から見返してみると良いかもしれない。

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