2026-7-16 イノベーションを「仕事」にする

自慢ではないが、筆者は新しいアイデアや奇抜な構想を思いつく才に乏しい。というかほとんどない。若いころはそれでもヤングや外山滋比古を読み漁って、何とかならないかとあがいたものだが、今はもう割り切っている。欠けたところがあるのなら、その分どこか余分にいいところもあるのだろう。まだ見つかってないだけで・・・(汗)。

なので、特に会社員時代は、新しいことを考えられる人はすごい、と思っていた。アイデアマンというのはやはり一定の割合でいるもので、新規事業を立ち上げる、なんていうのは、ああいう特別な才能に恵まれた人たちの特権に違いない。自分にはとても真似できない、と。

しかし、グループ会社経営、海外営業、ショッピングセンター開発と経験を重ねる中で気づいたことがある。それは、成果をあげる人は「ひらめき」を持っているのではなく、「探している」のだと。みんな自分と同じものを見ているのである。違うのは、彼らは目に入るものを常に「自分の商売に関連づけて」見ている。これは持って生まれた才というより「クセづけ」の問題ではなかろうか、とある時期から考えるようになった。

ドラッカーは、マネジメントの基本的な機能は二つしかない。マーケティングとイノベーションである、と述べた。やるべきことの半分は「新しいこと探し」だと言うのである。このセリフにも驚くが、ドラッカーの本当の凄みは、イノベーションをひらめきでなく「普通の人がやる普通の仕事」にしたことだと筆者は考えている。

ドラッカーが示した「7つの機会」については以前に述べた。これらは全て世の中を観察するときの着眼点であり、誰にでも再現が可能な手法である。実際に筆者はドラッカーの手法を用いて、顧問先の会社でいくつかのイノベーションのタネを指摘した。その一部は実現に向かっている。守秘義務があるから詳しくは書けないが、それらは全て「新技術が先にあった」のではなく、市場や顧客の変化を観察した結果である。発想力に乏しい私にできるのだから、誰にでもできることは保証する。次回は筆者なりの「機会探索ルーティン」をご紹介したい。

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