2026-7-31 商品ラインナップを見直す

前回のコラムで「社内の業務を見直し、意味のなくなったものを捨てよう」という話をした。実はこのことは、自社の商品ラインナップについても当てはまる。企業は自社の商品・サービスを定期的に見直すことをルーティンに組み込まなければならない。さもなければ、手間ばかりかかって利益を生まない商品をいつまでも作り続け、会社を傾けてしまう羽目になる。

経営者と話をしていて、「これがうちの売れ筋です」と見せてもらった商品が、よく調べてみると実は赤字だった、ということは本当にある。そういう商品は、たとえ売上は作っていたとしても、会社の利益を食いつぶしている。

では何をすればいいのか。まずは原価の把握である。中小企業では、全体としての損益は見えていても、個別製品の原価まで把握していないケースが実に多い。「この商品をいくらで売ったらいくら儲かるのか」を知ることは、経営改善の第一歩であると断じて差し支えない。

今現在、個別の原価計算ができていない会社は、すべての商品を対象にする必要はない。まずは売上の主力になっている数種類で十分である。原材料などの直接費を計算し、それに全社で使っている費用(間接費)を配賦する。製造原価明細書の数字だけではなく、PL上の販管費も配賦してみて、営業利益ベースの「手残り」を把握する。

間接費の配賦基準は経営者の感覚でよい。この商品にかかっている人件費はざっくり何%くらい、電気代はこのくらい、という感じでよい。ただし売上ではなく、実際に社内で行われている「作業の量」から判断する。売上はそれほどでもないのに、総務で発行しなければならない伝票の量はやたらと多い、といった商品もある。そういう品番は、販管費の配賦が大きくなる。

商品への思い入れや、担当部署への配慮から配賦基準に手心を加えてはならない。それをやると実態が見えなくなる。社内の事情からこの商品、この部署は黒字にしておきたい、ということもあるだろうが、それは別の話である。少なくとも「商品ラインナップを見直す」という目的で行うこの作業の際には、公正な配賦を心掛けてほしい。

中小企業向けには、中小機構のサイトに比較的使いやすい無料の簡易ツールがある。登録不要なので一度触ってみられると良い。

儲かる経営キヅク君

個別商品の原価がわかると、それぞれの商品にかけるべき「力の配分」がわかってくる。意外な商品の利益率が良くて、「これをたくさん売ろう」ということになるかもしれない。その逆なら「減らす」または「やめる」ということになる。少なくとも今以上にエネルギーを注ぎこまないようにする。あるいは値上げする。

もう一つ調べておきたいのが、主力商品の売上トレンドである。これは商品別に数年間の売上を時系列に並べてみればすぐ把握できる。どんな商品にもライフサイクルがあり「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」のどこかに区分することができる。こちらも注ぐべき「力の配分」に重要な示唆を与えてくれる。

経営はつまるところ、限られた経営資源をどこに配分するかを決めることである。成果を生まなくなった商品を廃棄して、成果を生む商品に割り当て直す。これも会社の余力を生み出す「廃棄の制度化」の一つである。

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