2026-8-6 アイデアは「整理」から生まれる ~まずは3Cで考えてみよう~
前回は、「社長一人で考えない」「社員との対話で現場の身体知を集めよう」という話をした。どうだろう?「何かできそうだ」という雰囲気は出てきたのではないか。しかし、このままではアイデアはなかなか形にならない。メモや頭の中に情報が散らばっているだけでは、新しい発想は生まれにくい。
そこで役に立つのが、フレームワークである。経営コンサルタントのいわば「十八番(おはこ)」であり、お前もそれを言うのかと拒否反応を示される向きもあるかもしれない。たぶん多くの経営者は、難しい言葉を並べて得意げに分析結果を語る「先生」をイメージしておられるのだろう。あんなものが役に立ったためしはない、と。皆さんが思うほど多くはないと思うが、まあそういうコンサルもいないではない。
実は筆者にとって、フレームワークは「分析して正解を出す」ためのものではない。筆者が価値を感じているのは、「情報を一枚の紙の上に並べることで、今まで見えてこなかった関係性が見えてくること」である。別々だった情報がつながった瞬間に、「そうか、この組み合わせがあったか」という発想が生まれる。平たく言えば、筆者にとってフレームワークは、「ピンとくる」瞬間を得るための道具である。
これは認知心理学でも説明できる。頭の中だけで考えていると、脳内のメモリがそれぞれの情報を「思い出す」「覚えておく」作業に食われてしまう。ところが紙に書き出すと、脳は「覚えておく」仕事から解放されて「関係性を発見する」作業にリソースを使えるようになる。
中小企業で最初に使うなら「3C分析」がおすすめである。筆者は実務上、こう覚えている。先輩診断士から学んだ言い換えである。
・Customer(顧客)= 欲しがるか
・Competitor(競合)= 勝てるか
・Company(自社)= やれるか
難しい分析をする必要はない。社員と話しながら、「最近お客様は何に困っている?」「競合は何を始めた?」「うちなら何ができる?」と書き出すだけで十分である。 前回少し触れたが、一番大事なのは、社長が一人で埋めないこと。営業、製造、事務、それぞれが違う景色を見ている。その違いこそが、新しい発想の源になる。

