2026-8-8 未来は新聞の片隅からやってくる ~STEEP分析~
前回は3Cを使って、自社・競合・顧客を整理した。しかし、実はその三つも変化している。なぜなら、会社は世の中から切り離されて存在しないから、である。
人口が減れば市場が変わる。技術が進歩すれば競争相手が変わる。法律が変われば仕事のやり方が変わる・・・。どんなに小さな会社でも、外の変化から逃れることはできない。だから経営者は、会社やその周りだけを見るだけではなく、「世の中を見る」ことも仕事の一部にしなければならない。
では具体的に何を見ればよいか。筆者は新聞やニュースを見るとき、難しい分析から始めない。まずは「何となく気になる記事」を一つ選ぶ。理由は後から考えればよい。まず、「何かひっかかった」という感覚を大事にしている。
その、「気になる記事」を整理するために便利なのがSTEEP分析である。これは選んだトピックを「Society(社会)」「Technology(技術)」「Economy(経済)」「Environment(環境)」「Politics(政治・制度)」という5項目に分類するフレームワークである。企業活動に影響するテーマを網羅しているから、着眼点の偏りや漏れを防ぐ効果がある。

別に英語を覚える必要はない。どこに分類するかを厳密に考える必要もない。これは社会かな、技術でいいや、程度で十分である。大切なのは分類することではなく、会社に影響しそうな変化を見つけることである。
ここでもぜひ気をつけていただきたいことがある。社長一人でこの作業をしないこと。同じ新聞を読んでも、営業と製造では選ぶ記事が違う。人事と経理でも違う。社長とはもちろん違う。だから筆者は、社員にも記事を選んでもらうことを勧める。たいていの人は毎朝新聞を読んでいるから、負荷がそう増えることにはならない。ただ今朝読んだ新聞の中から、記事を一つ選んで会社に持ってくるだけである。
「お、その記事に注目したのか!」・・・その一言が、会社の見える世界を広げる。一人では見えなかった世界が、チームなら見えてくることがある。
もちろん、ただ世の中の変化を見つけただけでは経営にはならない。「その変化は自社にどう影響するのか」という考察があってこそ、戦略につながる。次回はその話をしたい。
さて、今週、新聞でもニュースでも構わない。気になる記事を一つ選んでほしい。選ぶ基準はひとつだけ、「会社に関係がありそうかどうか」。社員にも同じ宿題を出してみよう。記事が違っていても構わないし、むしろ違っている方が面白い。そして、その記事を選んだ理由を5分だけ話し合ってみてほしい。きっと「そんな見方があったのか」という発見があるはずである。

