2026-8-28 新しい仕事では、ものさしも仮説である

前回は、新しい仕事を誰に任せるかについて書いた。できれば既存事業をきちんとマネジメントできる実力者に任せたい。そして、その人が新しい仕事に使う時間を決め、既存業務が再び奪わないようにする。では、人を決め、時間を確保したらそれで終わりだろうか。

もう一つ考えなければならないことがある。それは、「その人の仕事をどう評価するか」ということである。以前にも書いたが、「新しいことをやれ」と言いながら、既存事業と同じ評価の物差しを当てはめてしまえば、社員は既存事業を優先する。これは本人の意欲の問題ではない。会社の仕組みがもたらす「必然」である。

もちろん、「新しい仕事だから自由にやってよい」という話ではない。まず目的を確認する。それが例えば「新しい顧客を開拓する」ことであるならば、その目的を実現するには何が重要なのかを考える。「手薄な関西圏で自社商品の認知度を上げる」・・・例えばこういうものである。これを「KSF」の仮説と呼ぶ。

次に、それがうまくいっているのかを何で測るのかを決める。ドラッカーの言を引くまでもなく、測定できないものは評価できない。これが「KPI」。来月関西で50件の事業者に接触する・・・といったものである。実務的な手順としては、目的→KSFの仮説→KPIの仮説→実行、となり、これは既存事業の時とそれほど変わらない。違うのはその先である。

既存事業ならば、ある程度は成功のパターンがわかっている。売上、粗利、直接経費、在庫回転率、クレーム件数・・・。会社全体で共通の評価フォーマットを作り、期初に目標を設定、節目ごとに達成度を評価、というやり方にも合理性がある。しかし、新しい仕事はそうはいかない。何が成功につながるか、そのパターン自体がわかっていない。つまり、KSFもKPIも仮説にすぎない。だから、KPIを達成できなかったときやるべきことは、「もっと頑張れ」と言うことではない。「そもそもこのKPIでよかったのか?」と考えることである。

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