2025-10-6 ミシガン研究
アメリカの社会学者、リン・リッカートを中心としたミシガン大学研究チームの学説で、リーダーシップ行動類型論の一つ。1961年、生命保険会社の監督者を対象とした社会実験がベースになっている。
ミシガン研究もまた、リーダーシップのスタイルを「生産志向型」、すなわち仕事上の成果の側面を重視するタイプと、「従業員志向型」、集団内の人間関係を重視するタイプ、という2軸に分類して整理している。「両方必要」と結論づけたオハイオ研究とは異なり、この理論では実験結果を踏まえ、従業員志向型のリーダーシップの方が高い業績を上げられると主張した。
組織構造論における「ピンモデル」の提唱者でもあるリッカートは、パフォーマンスに影響を与える組織そのもののタイプ分けにも取り組んでいる。彼は組織の類型(リッカート自身は「マネジメントシステム」と呼んでいる)を「独善的専制型」「温情的専制型」「相談型」「参加型」の4タイプに区分し、どのタイプの組織が最も高い業績を上げられるかを観察した。結果、「参加型」の組織が理想形である、という結論に達した(同じ実験から導出した結論だから、まあそうなるよな、という気もする。こちらでは専制型がいい、と言われると少し困る)。
行動類型論初期の3つの研究(アイオワ研究・オハイオ研究・ミシガン研究)は、リーダーシップのタイプを専制型と民主型に分ける点でよく似ている。この2軸による整理のしかたで説明がついてしまう現象は現代でも数多く観察されており、彼らの視点の有効性は今も色あせていない。

