2025-11-1 要員計画

企業が事業を遂行するために必要となる人員の採用、配置などを計画すること。要員計画を策定する最終目的は「事業計画の遂行」であるため、「どれだけの人員が必要か」という数量的な観点だけでなく、「どんな能力を持った人材が必要か」「どのように人材を教育するか」といったプロセスも要員計画には含まれる。

要員計画は、具体的には以下のようなステップで行われる。

1.現状把握・・・部署や事業所ごとに在籍人数を確認し、それぞれの従業員情報(年齢や役職、保有資格やスキルなど)を棚卸しする。

2.要員調査・・・各部署にヒアリングし、必要な人数や能力を把握する。この段階ではたいていの場合、必要人数は多め、能力は高めの要望が出てくる。

3.要員の調整・・・現場から出てきたニーズを、重要度や緊急度を加味して調整する。当然ながら企業には予算があるので、事業計画における利益や人件費に照らしての確認も行われる。また、最終的に算出された要員をどのように補填するのか(新卒採用か中途採用か、内部人材の能力開発か配置換えか、あるいは外部リソースを活用するか)を構想、決定するのもこのフェイズである。

4.要員計画の策定・運用・・・トップマネジメントと現場へのフィードバック、調整を経て、要員計画を策定し、実際に運用していく。サブシステムとして「採用計画」「異動計画」「育成計画」などが作られることも多い。運用を開始したら定期的に現状をモニタリングし、PDCAを回すことも欠かせない。思い通りの人材が採れるとは限らないし、人が思い通りに育ってくれることもまれである。

人材は最も重要な経営資源であるにもかかわらず、要員計画を体系的に運用している企業は非常に少ない。多くの企業では「去年何人やめたから何人要る」とか、「文系何人、理系何人」とか、あまり事業計画とは関係のないところで採用人数が決まっていく。生成AIが急速な進歩を見せている現在、人がやるべき仕事は何か、自社に必要な能力は何か、といったベーシックなところから、要員計画を考え直す時期が来ているように思う。

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