2025-11-6 キャリア開発制度(CDP)

キャリア・ディベロップメント・プログラム(Career Development Program)。 企業の人材ニーズと個々の社員のキャリア期待をすり合わせ、中長期的なキャリア形成を支援していく仕組みの総称。一般的には数年先から十数年先のキャリア目標を定めて育成計画を作成し、その計画に即した人事異動やOJT 、社外研修、資格取得などを組み合わせて実施される。

キャリアデザインが社員自身の「どんなキャリアを目指したいか」という思いであるのに対し、CDPは企業が主体となってその希望を後押しする取り組みである。

会社都合のみの育成計画とは異なり、個別社員の希望がある程度尊重されるため、満足感や帰属意識が高まり、離職率が低下する効果が期待できる。本人の希望やこれまで踏んできた経験、得てきたスキルが可視化されるため、適材適所の配置が進めやすいといったメリットもある。

一方で社員の希望にうまく添えないケースや、企業の方向性と合致しない場合には、育成が滞ったり、その人材自身が流出してしまうリスクがある。また、CDPの内容がその企業でしか通用しないスキルの取得に偏っている場合には、企業自体のガラパゴス化を助長する恐れもある。

とはいえ、これほど人々の価値観が多様化している時代に、画一的なフォーマットで同質の人材を育てる、といったことはもはやあり得ない。企業をめぐる環境や対象者の意識に変化が生じるのは常であるから、当初設定したCDPでさえも、常に見直しが行わなければならない。カギとなるのは上司の目配り・コミュニケーションと、経営陣や人事部まで一体となった組織としての支援体制である。

前の記事

2025-11-5 社内公募制度