2025-6-25 イノベーションのジレンマ

ハーバードビジネススクールのクレイトン・クリステンセンが提唱した概念。過去にイノベーションを達成して市場を制した企業、すなわち現在のリーダー企業が、主要顧客からの要望に応じて持続的イノベーションに邁進し、やがて登場してきた破壊的なイノベーションに対応できなくなる状態を指す。リーダー企業にとっては、現在の顧客から望まれてもおらず、将来の見通しも定かでない新技術を取り上げることには合理性がない。その間に破壊的イノベーションを携えた企業が(たいていは低価格帯から)参入し、市場の構造ごと変えてしまうのである。

事例としてよく引用されるのは、デジタルカメラからスマートフォン、ハードディスクからフラッシュメモリといった非連続な技術革新である。筆者が直接見聞きした例では「他社の追随を許さないほど高機能かつ低価格の製造法を編み出したマッチのメーカー」というものがある。お分かりの通り、低価格ライターの登場で、火をつけるという機能を競う市場にマッチの居場所はなくなった。