2025-7-3 ネットワーク外部性

デファクトスタンダードと似た概念にネットワーク外部性がある。これは、ある製品やサービスの価値が、その製品やサービスを利用するユーザーの数が増えるほど高まる現象のことである。例えばSNSは、利用者が増えれば増えるほど交流できる相手が増え、更に仲間を増やそうとする「正のフィードバック」が働く典型例である。また、ゲーム機のように、ある規格のユーザーが増えるとそれに対応するソフトが増え、それを目当てにまた利用者が増えるといった間接的な効果が後押しする場合もある。クレジットカードの利用者と店舗の関係にも同じことが言える。

ネットワーク外部性が働く製品やサービスでは、ユーザーが一定の数(クリティカルマス)を超えると爆発的に増えるポイントがある。デファクトスタンダードをめぐる競争でも同様の傾向があり、リーダーを狙う企業はまずこのクリティカルマスを目指してユーザーの囲い込みに注力することになる。

最近では、キャッシュレス決済サービスの参入に出遅れたソフトバンクグループが、PayPayのユーザーを増やすため大盤振る舞いのキャンペーンを行ったことを覚えておられる方も多いだろう。筆者はかつて同じソフトバンクグループが、ブロードバンドの覇権争いで「モデムをただで配る」という常識外れの戦略に出たことを思い出した。ネットワーク外部性がものをいう世界では、それほどまでに導入期・成長期のシェアが重要であり、業界首位か、せいぜい2位3位くらいの地位を占めなければ収益化はおぼつかないのである。