2025-8-6 組織構造と組織行動

組織について検討しようとするとき、我々はおおむね「組織構造」のことを念頭に置いている。組織構造とは目標達成を効率的に行うために組み立てられたつくりや仕組のことで、組織図や職務分担表で示すことができる。分業と調整の関係で言えば、「組織の中でどのような分業を行い、それをいかにして調整するかの基本的な枠組み」ということになる。

ところが、組織を考えるにあたって組織構造だけ考えればいいかというと、そういうわけにもいかない。組織の活動を提供するのはその構成要素である人間であり、そこには組織図に現れない人間固有の現象がある。また、集団になれば一人でいるときとは別の力学が働き、さまざまな複雑さやダイナミズムが生じる。こうした人間や集団の行動に直接焦点を当てるのが「組織行動」論である。

経営組織について議論するときには常にこの両面から検討することを忘れてはいけない。チャンドラーの述べた「組織は戦略に従う」という言葉の文脈では「組織=組織構造」であるが、アンゾフの「戦略は組織に従う」では「組織=組織行動」である。前者は「そもそも組織というものは戦略目的を達成するために組み立てられるものだ」という原則について述べており、後者は「組織の採用する戦略は、意識するしないに関わらず、その組織が持つ固有の行動パターンの影響を受けるものだ(だからその特性に合わせて実行可能な範囲で検討すべきだ)」という教訓を述べている。

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