2025-8-7 組織の3要素
アメリカの経営学者チェスター・I・バーナードが1938年に出版した著書「組織の役割」の中で述べた経営組織の成立条件である。以下の3条件を適切に維持・管理することが組織におけるマネジメントの役割と言える。
・コミュニケーション
意思の伝達および伝達経路。メンバー同士の情報共有に不可欠であり、コミュニケーションなしに物事を進めることはできない。コミュニケーションが公式に体系化されたものが組織構造である、という言い方もできる。
コミュニケーションはその伝達の方向によって「上から下」(指揮命令や評価)、「下から上」(報告や連絡)、「横・ななめ」(同じ部署のメンバー間やラインとスタッフのミーティングなど)に分類される。また、コミュニケーションが行われる状況によって「フォーマル」「インフォーマル」という分け方をすることもある。
・貢献意欲
協働意欲とも言われ、個人の努力を共通目的の実現のために寄与していこうとする意志、いわゆるモチベーションである。人間の行動には、個人的な目的から行動する側面(個人人格)と、組織の一員として行動する側面(組織人格)がある。自由意思によって行動する個人人格が、組織人格のあり方として「この組織に貢献したい」と考えるようになるためには、組織がその個人に対して示す何らかの「誘因」がなければならない。
・共通目的
組織はそもそも同じ目的を持つ人たちの集まりであり、これなしではただの「群れ」である。企業においては経営理念やビジョンがこれに該当する。組織の構成員は共通目的を共有することにより、初めて同じ方向性をもって進むことができる。したがって共通目的は経営者によって明確にされ、構成員に理解され、容認されなければならない。
組織が分業と調整の仕組みであれとすれば、共通目的は「調整」を行うための基本原理である、という言い方をすることもできる。

