2025-8-10 満足化基準
問題解決の代替案をすべて列挙した上で意思決定を行うのではなく、ある程度満足できるレベルの選択肢を選ぶ意思決定の基準。
人間の情報収集能力、情報処理能力には限界がある、という前提に立つと、組織の意思決定はそうした制約の中で、ある程度主観的な「満足できる」という基準に基づいて行わざるを得ない。妥協と言えば妥協であるが、現実の個人および組織の意思決定はすべてこの満足化基準において行われている。
組織は意思決定を行うための情報収集を行う際、探索した選択肢があらかじめ設定した満足の水準を超えた時点で探索を停止する。これ以降により優れた選択肢が見つかる可能性はもちろん否定できないが、これ以上代替案を探索する時間とコストを考えて「ここらで手を打つ」という判断を行うのである。
この「人間の認知能力には限界があり常に最適な選択をすることは難しい」という考え方を「限定合理性」と呼ぶ。また、そのように考え、満足化基準に沿って行動する人間観を「経営人モデル」という。
満足化基準と対になる考え方として「最適化(極大化)基準」がある。こちらは「目標やリターンは高ければ高いほど望ましい」とする考え方で、世界中のあらゆる情報を瞬時に把握することができ、完璧な経済合理性を有した人間が最適な選択肢を追求する、というモデルである(このような人間観を「経済人モデル」という)。経済学が理論構成の前提に置く条件であり、現実世界とのギャップを考察するために作り出された架空の世界である。

