2025-8-17 ラインとスタッフ
ラインとは経営活動の基本的職能である。例えば購買、製造、販売といった企業の目的を達成するための基幹的活動であり、これらを欠けば経営活動が成り立たなくなるような機能である。一般的には直接利益を生む部門(プロフィットセンター)であることが多い。組織の階層構造の中で指揮系統を持ち、上司が部下に直接命令を下す。
一方、スタッフはラインの活動を支援していく職能である。組織が一定の規模を超えるとラインの管理機能が複雑さを増し、職務遂行に要求される専門性も管理者の手に負えないほど高度化する。スタッフはその専門領域において助言や管理者の補佐を行うことがその職能であり、ラインに対し直接的な命令を行う権限を持たない。自らは直接利益を生まないノンプロフィットセンター(コストセンター)である。
もともと軍隊組織の用語であり、スタッフは「参謀」が一般化した概念である。実行部隊の「命令統一性の原則」を担保しながら専門的な知識を生かし、あるいは人的管理の手を増やすことができる。難しいのはその権限の範囲であって、直接的な指示命令権を持たないとはいえ、スタッフが実質的に組織そのものを差配するような決定を下すケースも生じうる(旧日本軍における参謀をイメージすればよい)。ラインとスタッフがお互いの職能にどの程度関与し、または尊重するかといったあたりは個別の人間関係やケースに依存する部分も多く、明確に区分けしにくい。

