2025-9-12 コンピテンシー理論
高い業績を上げる人材に共通する行動特性を抽出しモデル化しようとする理論。採用や人材教育、人事評価などに活用して組織のパフォーマンス向上を目指す。欲求理論のマクレランドらが提唱した。
例えば営業職なら、販売成績の良い社員の行動を分析し、「朝1時間早く来て業界紙を読んで情報収集している」とか、「週に一度は得意先を訪問している」とかいった行動パターンやノウハウを抽出する。それを他の営業職の行動指針としてモデル化し、どの程度できたかを人事評価の基準とする、といったことである。わかりやすくて即効性もありそうなので一昔前にブームになったが、現在ではあまり聞かなくなった。その理由はおそらく以下のようなことだと思われる。
コンピテンシー理論は本来、目に見える行動やスキルよりも、それらに影響を与える価値観や使命感、すなわち「お客様の笑顔のためには苦労をいとわない」とか、「この商品で人々を豊かにする」といった個人の内面を重視する(これを「氷山モデル」と言ったりする)。ここを無視して形だけまねても、それこそ「仏作って魂入れず」なのだが、実はこの部分はモデル化や評価基準作りがとても難しい。確かに、顧客を訪問した回数は数えられるが、苦労をいとわなかったかどうかはどう評価すればよいかわからない。
個人的な意見だが、コンピテンシー理論は最初は形から入っても、その本質が身につくまで突き詰めないと効果を得られない類のノウハウではないだろうか。そのあたり、芸事の習得と似ているかもしれず、本当はとても感覚的で時間がかかるものなのかもしれない。

