2025-9-16 期待理論

過程理論の一つ。報酬を獲得できる主観的確率である「期待」と、その報酬が持つ魅力の度合いである「誘意性」が、その活動に対する動機づけの強さを決定するというもの。ビクター・ブルームによって提唱され、その後L.W.ポーターとE.E.ローラー三世によってより系統づけられた。

「期待」とは、自らの努力によって報酬を手に入れることができる主観的な確率である。(一日3時間勉強すれば中小企業診断士の試験に受かるだろう)。一方、「誘意性」は、当人にとって報酬が持つ主観的な魅力の大きさである。(資格を得れば昇給するだろう)。動機づけの強さはこのニ要因の積であり、どちらか一方が大きくても、もう片方がゼロであればモチベーションは生じない。まあ誰の腹にも落ちる、説得力のある説である。

ブルームはこの二つに「道具性」、すなわち手に入れた報酬の有用性(試験勉強で得た知識があとあと役に立つだろう)という三つ目の要因を加え、「動機付け=期待×道具性×誘意性」という式でこの理論を説明している。

ポーターとローラーの説は、ざっくり言うと、ブルームの理論に「報酬を手に入れた後の動機付け」という概念を付け加えたものである。彼らによれば、手に入れた報酬そのものよりも、それによって得られた満足感や達成感の方がその後の動機づけに影響する。つまり、成功体験による達成感がその人のモチベーションサイクルを強化すると言っているわけで、このあたりになると、モチベーション理論の中でも過程理論の枠を超え、内発的動機付けの要素を含み始める。

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