2025-9-24 集団浅慮(グループシンク)

集団で協議すると不合理な意思決定や誤った判断をしてしまう現象。アメリカの心理学者、アービング・ジャニスによって提唱された。集団内での合意を優先するあまり、多角的な視点や批判的思考が失われてしまうことによって生じるもので、その集団が閉鎖的で凝集性が高く、高ストレスな環境に置かれている場合に発生しやすい。強力なリーダーの存在も原因になると言われている。

集団浅慮は、自集団に対する過剰評価、閉鎖的な発想法、画一性、同調圧力、自集団を脅かす外部環境の認識など、さまざまな要因が複合してもたらされることが多い。結果として行われた意思決定が極端なものになることをグループシフトといい、極端にリスクの高いものになる場合を「リスキーシフト」、極端に慎重になる場合を「コーシャスシフト」と呼ぶ。

集団浅慮の具体例としてイメージしやすいのは「いじめ」である。いじめる側のグループはたいてい凝集性が高く、反対意見を許さない空気を醸している。やらなければ自分もいじめられる、という感覚は同調圧力の際たるものと言える。カリスマ的なリーダーに率いられる政治や宗教の団体にも、同様の現象が見られることがある。

ジャニスは集団浅慮への対策として「悪魔の代弁者」を提案している。これは、集団の中に、意図的に反対意見を述べる役割の人間をつくるというものである。居心地のいい集団の中に異分子を紛れ込ませることでメンバーの頭を冷やし、多面的な思考を取り戻させる効果がある。

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