2025-9-28 社会的勢力

リーダーがメンバーに影響を及ぼすための力や優位性のこと。フレンチとレイブンの研究によれば、社会的勢力には以下の6つがある。

・報酬勢力・・・他者の報酬を与える能力。金銭など物質的な報酬の他、昇進や賞賛なども含まれる。

・強制勢力・・・従わなければ罰を受けるという影響力。主な罰には叱責や減給、解雇、左遷などがある。

・正当勢力・・・相手は影響力を行使する正当な権利を有し、自分は従わなければならないと感じる影響力。

・準拠勢力・・・相手に魅力を感じ、あの人のようになりたいという好意的な感情を受ける影響力。フォロワーシップ。

・専門勢力・・・相手の方が自分より技術や能力において優れていると感じる影響力。

・情報勢力・・・特定の人物しか知りえない情報を有していたり、それを発信する人から受ける影響力。

前半3つの勢力は通常、組織から公式に与えられるものであり、上司としては使いやすい武器である。ただどちらかと言えば損得や「仕方なく」という形で人を動かすことになり、モチベーション理論で言う「動機づけ要因」、すなわち自発的に行動する力の源泉にはなりにくい。

一方、後半3つの勢力は、個人が自分の努力や資質で獲得するものである。準拠勢力はバーナードの言う、リーダーシップの「道徳的側面」、専門勢力と情報勢力は「技術的側面」に該当する。相手の人間的な魅力に惹かれたり、その能力に一目置くということだから、指示を受けても抵抗感は少なく、モチベーションにもつながりやすい。

人は自分が行使できる何らかの権限や、相手より優位な立場に立てる材料を手にすると、いとも簡単に権力者としての「好ましくない」振る舞いをしてしまう、ということは多くの研究が証明している。リーダーの立場にいる人はそのことを十分に認識したうえで、自らの言動を律するべきであろう。