2025-10-2 リーダーシップの特性理論
リーダーシップ研究の最も初期に行われたアプローチ。リーダーシップは生まれ持った資質によって成り立っているという前提を置き、優れた功績を残したリーダーに共通する資質や特性を探ろうとする研究である。リーダーに必要な資質が分かれば、早期に候補者を選別しリーダーを育成する教育を行うことも可能になる。
その代表とされるのは、1930年代にアメリカの心理学者ラルフ・ストックデイルにより行われた、リーダーの特性に関する大規模な調査研究である。この調査では身長、体重といった外見的な特徴から、知能、雄弁さといった内面に至るまで、多くの特性が網羅され分析された。その結果、知能や学力、責任感等の項目においては、リーダーと認識される人がそうでない人よりも優れていると認められた。
しかしながら一方では、個人の特性からだけではリーダーシップの発生を説明したり、その人がリーダーになれるかを予想するのに十分ではないということも判明した。後年はストックデイル自身がこのアプローチの限界を認めている。
特性理論は調査対象となる特性が抽象的で、定量的な測定が困難であり、それゆえ科学的な結論を導出することが難しい。そもそもリーダーシップの源泉を個人的な資質だけに求める考え方にも疑問が残る。しかしながら、初期にこうした研究が行われたおかげで、その後のパーソナリティ研究、例えば「MBTI」や「ビッグファイブ理論」「ストレングス・ファインダー」などが開発され、リーダーシップ開発における特性把握に役立てられるようになった。

