2025-11-10 早期退職優遇制度
従業員が定年前に自主的に退職を選択できる制度。あらかじめ会社が退職に関する有利な条件(退職金の増額、再就職のあっせん、独立の資金援助など)を示すことにより、労働者が自らの意思で労働契約の解除を行うものである。従業員のキャリア観の多様化に対応するための制度、という好意的な見方もできるが、現実には人事の停滞や人件費の増大を避けるための企業のリストラ策である。
企業の側とすれば、勤務延長制度や再雇用制度など、高年齢層の従業員を雇い続けなければならない規則ばかりが増えてきたので、一方ではこうした反対側の制度も持って置かなければバランスが取れない、というのが本音のところであろう。
早期優遇退職が制度として行われている場合は、例えばある年齢に達した従業員全員を対象に行うなど、一定のルールに従って実施される。一定年齢の節目になると「今なら仕事を続けるか辞めるか、自分で選ぶことができます」という通知が来る「選択定年制」という形を取ることもある。
常時慣例的に行われず、会社側の都合で臨時に行われるものは一般的に「希望退職の募集」と呼ばれ、そのつど期間や定員、優遇される条件が設定される。会社が想定した人数に達しない場合は期間を延長したり、「退職勧奨」「整理解雇」といった次の段階に進むことがある。
早期退職優遇制度は、実態としては会社都合退職に近い場合でも、「解雇」という形を取らないので、対象者や労働組合との軋轢が少なくて済むというメリットがある。デメリットとしては、優遇措置を取るために一時的に費用がかさむこと、また、知識やスキルの高い優秀な従業員から真っ先に辞めてしまう、といったことがある。希望退職の募集を行ったはいいが、「いや、ちょっと待て。お前は困る」ということになった話は実際によく耳にする。

