2025-11-13 雇用調整

景気の悪化による仕事の減少や不採算事業の廃止など、企業が事業を縮小する際に、過剰になった従業員の数や労働時間を調整すること。一般的には次のような順番で行われる。

1.残業の規制

仕事が少なくなるので当然のように思えるが、ホワイトカラーの事務量はあまり変わらないことも多く、規制でやむなく仕事を家に持ち帰る「隠れ残業」が発生したりする。

2.パートやアルバイトなど非正規労働者の削減

日本は諸外国に比べ解雇が難しい国なので、長年非正規労働者が労働力の調整弁となってきた。少し前までは「人件費の変動費化」というぞっとしない言葉を得意げに語る経営者も多かったものである。

3.採用活動の停止

総人件費の抑制もあるが、「俺たちには仕事がないのに、新卒は別扱いか!」という声を押さえるためという面が大きい。すぐに影響は出ないが、あとあと社内の年齢構成や世代ギャップで苦労することになる。

4.配置転換・出向

業績の悪化が著しい部署から、比較的順調で人手が欲しい部署やグループ会社(あればだが)に異動させる。当人は新しい職場と仕事に慣れるまで大いに苦労することになる。業績が回復すれば元の職場に戻すことも可能だが、実際にはそういう例はあまり見たことがない。

5.希望退職者の募集

ここまでくればかなりの重症である。早期退職をもともと制度として持っている会社はまだ格好がつくが、そうでなく一時的に募集することになれば、大手企業なら新聞ネタになる。

6.退職勧奨など

希望退職者が必要数に満たなければ、いわゆる「肩たたき」が始まる。

なお、従業員の雇用を維持するために一時的に雇用調整を行った企業には、休業手当や賃金に要した費用の一部を国が負担する「雇用調整助成金」の制度が設けられている。マクロ的に見れば産業の新陳代謝を停滞させ、日本の競争力を削いだとの批判はあるが、労働市場の流動性が十分確保されていなかった時代には必要な制度であっただろうとは思う。

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