2025-11-16 評価誤差

人事考課についてはさまざまな課題が指摘されているが、その最たるものは「人による評価の限界」である。評価者の主観や先入観が評価に偏りを生じさせることを「評価誤差」といい、以下のようなものが代表的とされる。

・ハロー効果・・・被考課者の顕著な特性が、他の特性の評価にも影響を与えてしまう傾向のこと。全体の印象で部分的特性まで見てしまうエラーと、何か一つの優れた部分のイメージが全体的評価に影響を及ぼすエラーがある。

・中心化傾向・・・考課結果が「普通」や「どちらとも言えない」など中央値に集中してしまう傾向のこと。

・寛大化傾向・・・被考課者に対して実際以上の甘い考課をする傾向。評価者の自信のなさや、「悪く思われたくない」といった気持ちが引き起こすことが多い。

・逆算化傾向・・・先に最終評価を決めてしまい、後からそれぞれの評価項目を逆算で評価していく傾向。後付けでつじつまを合わせるので、各評価項目は必ずしも実態と合わなくなる。

・論理的誤差・・・独立している評価項目であるにもかかわらず、考課者が評価項目間に関連性があると解釈し、推定的に評価をしてしまうこと。

・対比誤差・・・評価者自身を基準にしてしまうことによる誤差。自分の得意分野は辛く、不得意分野は甘くなる。

・近接誤差・・・最近のことは大きく、少し前のことは小さくなってしまうエラー。直近の出来事のほうが強く印象に残ってしまうために生じる。年間評価の場合には「期末誤差」という呼び方をすることもある。

考課は人がやるものであるから、どこまで行っても完璧な客観性など望むべくもない。ただ、評価する側が上記のような傾向について学び、心理的誤差を少しでも排除しようとすること(考課者研修)は無駄ではない。

先端的な企業では、生成AIに考課を行わせ、その公平性について一定の手応えを得ているケースもあると聞く。採用や教育のあり方が大きく変わりつつある今、考課についても再考すべき時期が来ているように思う。

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