2025-11-18 多面評価
上司以外に、同僚や部下、他部署の社員、場合によっては顧客や関係会社といった社外の人など、複数の評価者によってなされる人事考課のこと。あらゆる角度から評価するという意味で「360度評価」と呼ばれることもある。上司からだけの一方的な評価では発生しやすい「評価者による差異」や「心理的誤差」を修正する手法として広く取り入れられている。
多様な視点から評価することで、評価の公平性や客観性が高まり、より正確な情報が得られる。被評価者にとっても納得感が得やすく、また自分の強みや改善点を具体的に理解する助けになる。「しっかり見てくれている」という意識はエンゲージメントの向上にもつながるであろう。
もっとも、手間はかかる。誰を評価者とするか、どのような基準で評価してもらうかなど、ルールの設定も簡単ではない。評価の結果をフィードバックする際に、評価者を匿名とするかどうかも悩ましいところである。評価者名をオープンにすれば最初から本音が出てこない可能性が高いし、匿名だと「こんなことを言ったのは誰だ」となって人間関係を悪化させることになりかねない。
多面評価にはこのようなセンシティブさがつきまとうため、多くの企業では、上司以外の評価を処遇に直接反映させることはせず、参考資料にとどめたり、被評価者の自己啓発を促す材料として取り扱っていると聞く。

