2025-11-23 退職金

従業員が退職する際に企業から支給される金銭的給付のこと。賞与と同様、法律で義務付けられている制度ではないが、日本では多くの企業が導入している。

退職金は一般的に現金一括で支給されることが多いが、年金の形で受け取ることを選択できる場合もある。それぞれのケースで適用される税控除の仕組みが違うので、自分の場合はどちらの受け取り方が有利かをよく調べる必要がある。給与天引きに慣れ、あまり税に頓着してこなかったサラリーマンだったのに、定年直前に初めて税制を勉強する機会が訪れた、という笑えない話はよく耳にする。

企業があらかじめ給付額を決定し、運用リスクを負う「確定給付型年金(DB)」も、広い意味では退職金の一形態と言うことができる。

退職金も給与と同じく、将来の支払いに備えて引当金を積む必要がある。会計上は負債、あるいは費用と扱われ業績にマイナスのインパクトを与えるため、中小企業においてはこれを実施する体力がない場合がある。そういう企業のためには、外部機関に掛金を納付し、退職時にその積立金をもとに支給してもらう「退職金共済制度」も準備されている。

退職金制度が存在する意義については、「長年の勤務・功労に対する報酬」「賃金の後払い」「退職後の生活保障」「同じ会社で長く働くことへのインセンティブ」など様々な解釈がある。日本企業の三種の神器である「年功序列」「終身雇用」を支える仕組みの一つであったが、一方で労働市場の流動性を妨げ経済を停滞させた、との批判もある。

退職金は税制上非常に手厚く優遇されてきたのだが、国は現在、この制度の見直しを検討している。これは「ほかの会社に行けばもっと活躍できる人を退職金で縛り付けるのはやめてほしい」というメッセージと言える。もっとも、これだけ多くの人が利用し、当てにもしている制度であるから、実際に控除額を縮小すれば「改悪」として大きな批判が巻き起こることは間違いない。

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