2025-12-7 マーケティングの定義

マーケティングという言葉の定義は、ビジネス環境の変化に伴い変遷を遂げてきている。2007年に改定されたアメリカ・マーケティング協会(AMA)の定義は以下の通りである。

・2007年の定義・・・「マーケティングとは、顧客やクライアント、パートナー、さらには広く社会一般にとって価値のあるオファリングスを想像、伝達、提供、交換するための活動とそれにかかわる組織・機関、および一連のプロセスを指す」

この定義をその前の2004年のものと比較すると、近年のマーケティングの概念の変化がよく理解できる。

・2004年の定義・・・「マーケティングとは、顧客価値を創造・伝達・提供し、組織とその利害関係者の双方を利する形で顧客との関係性を管理するための組織機能と一連のプロセスのことを指す」

2004年の定義に含まれていた「顧客との関係性」や「ステークホルダー」という言葉が除かれ、「パートナー」や「社会一般」という、より広い対象に置き換わっている。「交換」という言葉が追加されたのも、単に営利を求めるだけではないという文脈として解釈できる。

また、2004年の定義では「利害の調整」や「管理」といった言葉で、「マーケティング・マネジメント」の要素が色濃く反映されていたが、2007年の定義ではこれを削除し、単なる技術論よりも大きな概念として捉え直したことが見て取れる。

なお、2024年に日本マーケティング協会が更新した定義は以下の通りである。

・日本マーケティング協会の定義・・・「マーケティングとは、顧客や社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させることによって、ステークホルダーとの関係性を醸成し、より豊かで持続可能な社会を実現するための構想でありプロセスである」

AMAの定義を踏襲しつつも、「価値共創」「持続可能な社会」といった近年のトレンドを取り込んだものと言える。ただ、日本マーケティング協会が定義を更新したのは34年ぶりであり、その間何をやっていたのか、という思いは残る。