2025-12-9 PEST分析
マクロ環境分析の代表的なフレームワーク。「Politics(政治)」、「Economy(経済)」、「Society(社会)」、「Technology(技術)」の4つの頭文字を取ったもので、それぞれのカテゴリーごとに現状把握と将来予測を行う。近年の企業活動においては地球環境への配慮が欠かせないものとなってきたため、「Environment(環境)」の項目を加えて「STEEP分析」とすることもある。
マーケティングの環境分析といえば、3C分析など、業界をめぐるミクロの分析から始めることが多いが、実はその「業界」自体、常に世の中の変化、つまり「マクロ環境」に大きな影響を受けている。また、近年は特に、一見しただけでは無関係に思える社会的な変化や技術革新が、業界にダイナミックな変化を及ぼす事例も少なくない。マクロ環境への洞察プロセスを端折ってしまうと、こうした大きなトレンドや、潜在的な機会・脅威を認識できず、いわゆる「マーケティング・マイオピア」に陥ってしまうリスクが高まる。
PEST分析は数年単位の長期的なトレンドを見ていくものなので、一時的な流行にあまりこだわる必要はない。いま世間をにぎわしているニュースであっても、それが一過性のブームなのか、それとも長期的なトレンドの兆しなのか、少し時間をおいて判断する姿勢が必要である。
また、PESTそれぞれのつながりを意識し、世の中の動きをストーリーとして捉える視点も重要である。ごく直近であれば、高市政権の打ち出す政策と金融市場、労働市場の動向は大きく関わっているし、そこに半導体や生成AI の技術革新も絡んでくる。各項目への書き込みが終わったら、それぞれの関連性を意識しつつ、そこに自社の立ち位置を当てはめてみると良い。
もう一つ、実務的な感覚で言えば、「脅威」よりも「機会」に目を向けるよう意識することである。マクロ分析の作業をしていると、どうしても悲観的な要素に目が行きがちになるのが常である。それはそれで必要なことではあるが、マイナスの影響に対処することばかり考えてしまうと思考が委縮する。「このトレンドは自社にどのような機会を生むか」「自社資源の何を生かせばこの動きに乗れるか」といったポジティブな視点に意識を向けること。
PEST分析は企業にとって、イノベーションの機会を発見する最強の武器だと筆者は考えている。

