2025-12-14 セグメンテーションの切り口
市場を一つの塊として捉えるのではなく、同質のニーズを持つ複数のセグメントから成る集合体として捉える手法がセグメンテーション(市場細分化)である。市場全体を対象とする「マス・マーケティング」と対になる概念である「ミクロ・マーケティング」の一類型とされる。
(ミクロ・マーケティングにはセグメント・マーケティング以外に、特殊な属性を持ち通常は切り捨てられがちな小さな塊を拾う「ニッチ・マーケティング」や、特定の個人を狙う「カスタマイズド(1to1)・マーケティング」がある。生産や情報技術の進展により、従来は見えなかったり、見えていても対応できなかったニーズに応えることができるようになった時代のマーケティングと言える)
市場を細分化する際に使用される切り口としては、次のようなものがある。
・ジオグラフィック変数(地理的変数)・・・地域によって顧客ニーズが異なる場合に重視される地理的な基準で、気候や人口密度、行政単位などにより市場を区分けする。即席めんの味付けが東西で異なることはよく知られている。ある地域に特有のニーズを拾い上げて展開するきめ細かいマーケティングを特に「エリアマーケティング」と呼ぶことがある。
・デモグラフィック変数(人口統計的変数)・・・年齢、性別、職業、所得水準、学歴などで市場を分けるやり方で、一般的に最もよく使われる変数である。化粧品は性別と年齢で細かくセグメントされているし、保険は職業や所得水準別に異なる商品が準備されている。
・サイコグラフィック変数(心理的変数)・・・ライフスタイルやパーソナリティの違いで市場を区分けする。同じような年齢や所得の人でも好みや価値観、生活様式はそれぞれである。こうした内面的な違いをデモグラフィック変数でひとくくりにすることは大きな誤りを生むリスクがあるため設けられている基準である。同じ30代女性向けのファッション雑誌でも、対象がビジネスパーソンか主婦かによって内容は大きく異なる。
・行動上の変数・・・顧客の製品に対する態度、使用頻度、ロイヤルティなどに焦点を当てて区分けする。例えばシャンプーは髪のダメージケア、ふけやかゆみ防止、育毛効果など、顧客が求めるベネフィット別に商品展開されている。アルコール飲料では毎日飲むヘビーユーザー向けと、たまの機会を楽しむライトユーザー向けの商品が別々に用意されている。
なお、サイコグラフィック変数と行動上の変数をまとめてサイコグラフィック変数とする場合もある。中小企業診断士の二次試験会場には、「ジオ・デモ・サイコ」と念仏のように唱える受験生がたくさんいる。

