2025-12-23 4C分析
1993年にアメリカのロバート・ラウターボーンにより提唱された比較的新しい概念であり、4Pを顧客視点でとらえ直したフレームワークである。4Pは長らくマーケティングミックスの基本フレームワークとされていたが、どちらかと言えば企業側の視点に立っている。ラウターボーンは、消費者の製品に対する知識量の増加や、彼らの行動パターンの変化に鑑み、「4Pはもはや意味を持たない」とまで言い切って、消費者中心のフレームワークに規定し直した。
・顧客価値(Customer Value)・・・4Pの製品(Product)に照応する。企業が提供する製品・サービスは消費者にとってどのような価値があるか、という問いである。世界最高のスペックを有する製品でも、それを必要としない人にとっては何の価値もない、というあたりまえの事実に気づかせてくれる。
・顧客コスト(Customer Cost)・・・4Pの価格(Price)に照応する。これもあたりまえのことだが、企業にとっての価格は顧客にとってのコストである。消費者は常に、「その製品にそのコストを支払うだけの価値があるか」を検討している。企業は、自社の都合ではなく、「(顧客にとっての)価値をベースとした価格設定」を行わなければならない。
・利便性(Convenience)・・・4Pのチャネル(Place)に照応する。顧客から見た「購入のしやすさ」や「情報取集の簡便さ」を意味する。企業は、自社にとって都合の良い流通ルートではなく、それを必要とする人たちにとって利便性の高い接点を提供しなければならない。
・コミュニケーション(Communication)・・・4Pのプロモーション(Promotion)に照応する。企業側からの発信、というイメージが強い「プロモーション」に対し、双方向のやり取りを意味する「コミュニケーション」が登場したところに、マーケティングコンセプトの歴史を踏まえた時代の変遷を感じる。端的に言えば「企業と顧客の情報のやりとりのしやすさ」ということであり、企業の姿勢や思いも含めた提供価値の訴求と、それらに対する顧客側のフィードバック、コミットメントの度合いを示す。
筆者は実務において、まず4P を構想してから4Cで確認する、という手順を踏む。企業側の実行可能性を優先して考慮したいからであるが、同業者からは異論も多い。特に若い世代のマーケターは、何よりも顧客目線で物事を構想することに長けているように思う。同じような素材を取り扱っても、成果物としてのマーケティングミックスが大きく異なっているケースもあり、このあたり、まだまだ学ぶべきことは多い。

