2026-1-6 AIDMA(アイドマ)モデル
消費者の購買プロセスを下記の5段階に分解するモデルである。それぞれの段階の頭文字を取ってこう呼ばれる。1920年代、アメリカの経済学者サミュエル・L・ホールが提唱した、消費者購買モデルの中では比較的歴史の古いフレームワークである。
・注意(Attention)・・・消費者が製品・サービスに「気づく」段階。広告その他のプロモーションを通じて、それを「知らない」消費者を「知っている」状態に変えるアプローチが求められる。
・興味(Interest)・・・消費者が製品・サービスに「興味を持ち始める」段階。自社製品の提供価値を伝え、「知ってはいるが興味がない」消費者を「興味がある」状態に持ち込むアプローチが求められる。
・欲求(Desire)・・・消費者が製品・サービスを「欲しい」と思う段階。「興味はあるが欲しいわけではない」という状態を「欲しい」に変えるアプローチが必要である。興味の源泉である具体的なニーズに基づいて、自社製品を選ぶべき理由を明確に伝えることが求められる。
・記憶(Memory)・・・消費者が製品・サービスを「記憶にとどめる」段階。いったんは欲しいと思ったがそのまま忘れてしまう消費者の意欲を再び掻き立て、自社製品を想起させるアプローチが必要である。
・行動(Action)・・・消費者が実際に製品やサービスを「購入する」段階。すでに買う動機は持っているがきっかけをつかめずにいる消費者に、購入を促す明確な機会を提供するアプローチが必要になる。
AIDMAモデルは、コトラーの5段階モデルと同様に、各段階におけるコミュニケーション施策を構想する上で有用である。例えば「注意」の段階では製品ジャンル全体のイメージ付けが主題になるが、「興味」や「欲求」にフェイズが移ると、自社製品の優位性や提供価値をシャープに伝達することがより重要になる。「行動」の段階では直接的な値引きやキャンペーンが効果を発揮する。
また、別に述べるAISASモデルもそうだが、AIDMAモデルはペルソナマーケティングと相性が良い。具体的な消費者像を設定しその行動をシミュレーションしようとするとき、これらのフレームワークは非常に強力なツールになる。
なお、AIDMAと類似のモデルに「AIDA(アイダ)」と「AIDCA(アイドカ)」がある。AIDAはAIDMAからM(記憶)を省略したもので、その場で勝負をつける(いったん考える時間を与えない)人的セールスの場面を想定している。AIDCAはM(記憶)がC(Conviction:確信)に置き換えられているが、こちらもダイレクトマーケティングや店頭販売にフィットするモデルである。何となく欲しいと思った相手に確かなエビデンスを提示することで、「これは間違いない。買っても損をしない」と思わせるプロセスを挿入している。

