2026-1-7 AISAS(アイサス)モデル

消費者購買モデルの一つ。AIDMA(アイドマ)と並んで有名なフレームワークである。マスマーケティングが主流であった時代のAIDMAに対し、2000年代以降、インターネットの普及によって大きく変化した消費者の購買行動を反映するモデルとして広まった。最初に提唱したのは日本の電通だと言われている。

・注意(Attention)・・・消費者が製品・サービスを認識する段階。ここはAIDMAモデルと同じであるが、従来型の広告というよりは、WEB広告やSNSを駆使し、消費者とのタッチポイントをいかに増やすか、というデジタルプロモーションに力点が置かれるようになっている。

・興味(Interest)・・・消費者が製品・サービスに興味を持つ段階。ここもAIDMAモデルと同じだが、「WEB広告でたまたま目にした商品のスペックを見て、もう少し細かい情報を知りたくなる」といった、次の「探索」につながるステップと理解されている。

・探索(Search)・・・製品・サービスに関する情報を集める段階。SNSで購入済みユーザーの感想を調べたり、検索エンジンで口コミを読む、といった「能動的に情報収集する消費者」が想定されている。この段階で自社製品の優位性をどれだけPRできるかによって、その後の購買行動が大きく変わる。

・行動(Action)・・・実際に商品を購入する段階。AIDMAと同じく消費者の意思決定を後押しする割引やキャンペーンが有効である。デジタルマーケティングの文脈ではこれらに加えて、WEB上の購入プロセスを使いやすくして意欲を削がない工夫や、豊富な決済方法の実装などが要件として指摘される。

・共有(Share)・・・購入した商品を第三者に共有する段階。実際に使用した感想や評価を拡散する行動を指す。これが高評価であればほかの潜在顧客が商品を購入する判断材料になり、「注意」や「興味」につながる可能性が高くなる。マーケティング活動全体の好循環を起こすフェイズであることから、AISASを構成する5つの要素の中で最も重要な段階であると言われている。好意的なシェアを促進する企業の仕掛けは、今やあちこちで目にする。

なお、AISASから派生したモデルとして「AISCEAS(アイシース)」がある。これは「Search(検索)」と「行動(Action)」の間に、「比較(Comparison)」と「検討(Examination)」を挿入したもので、消費者の行動をより詳細に分解したものである。実務上必要があればこちらを使えばよい。

AISASモデルでマーケティングの全体像を整理することにより、企業は顧客とのコミュニケーションにおいて留意すべきポイントを把握しやすくなる。自社のコミュニケーションプロセスのどこが弱いか、競合他社との比較ではどうか、といった分析には欠かせないツールと言えよう。特定の個人を仮想してアプローチを構想するペルソナマーケティングとの相性も良い。

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