2026-2-8 ニーズ志向とシーズ志向

新商品のアイデアの創出は、自社の強みを何かに利用できないかという「シーズ志向」と、こんなニーズがあるが何か解決できる方法はないか、という「ニーズ志向」に大別される。

シーズ志向は企業サイドが顧客に提供できる価値や強みをベースとしており、いわば生産者視点の開発思想である。独自の商品やサービスを生み出せる可能性が高く、他社と競合しない。一方で市場や顧客のことはあまり顧みられないため、消費者が興味を持たなければ全く売上につながらないリスクがある。

これに対してニーズ志向は、市場や顧客にニーズを調査するプロセスが先行する、消費者目線の思想である。既に需要があることがわかっている状態で開発を開始するため、一定程度は売れる可能性が高い。ただ、「どこかで見たことがある」商品になりがちで、市場を席巻するような大ヒットにはつながりにくい。

どちらのやり方がよいか、というのは一概に言えない。企業風土やその新商品にかける期待値、競合の状況や投入のタイミングなど、さまざまな要素を勘案して、どちらに重きを置くかを判断していくことになる。筆者の知る企業では、自社の持つ技術やノウハウが転用できそうなアイデアを社内で数多く抽出し、その中から筋のよさそうなものについて、需要を調べるデスクリサーチをかけていく、というやり方が取られていた。