2026-3-1 チャネル設計
マーケティングミックスの4P のうち、流通チャネル(Place)に関する意思決定を行うプロセス。自社の製品・サービスが最終的にユーザーの手に渡るまでの最も合理的なルートを構想、設計する。
チャネル設計は主に以下の3要素を考慮する。
・長さ・・・生産者から最終顧客までの段階数。介在する卸売業、小売業の数によって規定され、これらの企業数が多いと「チャネルが長い」と表現される。顧客利便性や効率性の観点から、垂直方向に何段階の企業を通すのが一番良いかを考えるのはチャネル設計の第一歩である。筆者が以前属していた繊維の世界は非常にチャネルの長い業界として有名だが、これを川上方向に統合・短縮することでイノベーションを起こしたのがかつての青山商事やユニクロである。
・幅・・・チャネルがその市場の流通をどの程度網羅しているか、という観点。取引を希望する相手ならあまりあれこれ言わず、基本的に販売を許可するやりかたを「チャネルの幅が広い」と言う。企業は自社商品やターゲットの特性を考慮してこの幅を決めていく。一般的にチャネルが広いのは食料品や日用品、狭いのはブランド品や装飾品である。
・機能・・・チャネルには在庫、物流、与信、情報システムなどさまざまな機能が付帯するが、どのチャネルにどの機能を担ってもらうか、あるいは付与するかを決めることも重要な意思決定になる。設計次第によっては商流間の力関係にひずみを生じさせ、チャネル全体の機能を損なうことにもなりかねない。
近年は顧客の購買行動が多様化する中、オンラインとオフラインのチャネルをシームレスに連携させることが求められている。また、以前は生産者にとってハードルの高かったD to Cビジネスのインフラも整ってきた。これからのチャネル設計はこれらの要素を加味し、これまでとは異なる複雑な形に変化していくと考えられる。

