2026-3-12 プッシュ戦略とプル戦略
プロモーションにおける対義的な2つの基本戦略である。プロモーションミックスの5つの要素のうち、どの手法に重点を置くかによって分類することができる。
・プッシュ戦略・・・プロモーションミックスのうち「人的販売」「販売促進」に重点を置く。チャネルを通じて垂直的に商品を「押し出す」考え方である。短期的な売上増加や、まだ認知度が低く説明が必要な商品のプロモーションとして採用される。どちらかと言えば消費財よりも産業財(生産財)で多用される手法である。
イメージとしては店員や営業員による直接販売や、店頭でのサンプル・試食品提供が頭に浮かぶが、B to Bの場合は数量割引やリベートの提供等も有力な手段になる。言ってみれば「力づく」のプロモーションであるから、費用や手間がかかるのが難点である。
・プル戦略・・・プロモーションミックスのうち「広告」「パブリシティ」「SNS・口コミ」に重点を置く。最終顧客に直接アピールして需要を喚起し、指名買いを誘う(引っ張る)考え方である。ブランドイメージの強化や中長期的なファンづくりに適しており、成熟期にあって認知度が高い商品や、最終消費財の場合に採用されることが多い。
イメージとしてはテレビのCMやプレスリリース、SNS発信、口コミ喚起などの活動になる。こちらは採用する手法によって費用はさまざまであるが、プッシュ戦略とは違う意味で手間がかかることは間違いない。
さまざまな情報媒体の進化により消費者の知識が増し、企業からの一方的な発信に踊らされることがなくなった現代においては、プッシュよりもプル戦略の重要性が増していることは間違いない。しかしながら、かといってプッシュが不要かと言えばそんなことはない。要は対象となる商品の性格やPLC、投入できる経営資源の量などに鑑み、バランスのよいプロモーションミックスを構想できるかどうかが成否を分ける。

