2025-11-19 目標管理制度(MBO)

会社の方針と、従業員個人が目指したい方向性をすり合わせることで、一人ひとりに目標を設定し、成果までの道のりを管理するマネジメントの手法。MBO(Management by Objectives)とも呼ばれる。ロックの「目標設定理論」を理論的根拠とするが、世の中に広く知らしめたのはピーター・ドラッカーだと言われている。ドラッカーによれば、MBOは単なる人事評価の手法ではなく、「マネジメントの哲学たるべきもの」である。

MBOの肝は「自己管理」、すなわち従業員自らが主体的に目標を設定し、達成に向けた自ら進捗を管理するという点である。組織にとっての成果と自分の役割に思いをはせ、達成すべきテーマを設定し、そこに至るプロセスやアクションを自ら決定し実行することで、モチベーションと業務効率が向上する。押しつけられた目標を仕方なく受け入れる場合との違いは、組織に属したことのある人間なら誰でも理解できるであろう。

MBOを実施する際の注意点には以下のようなものがある。

・目標設定・・・その従業員の成熟度にもよるが、本人が立てた目標が組織の目標と一致していないことがままあるので、この点に関しては上司の関与が不可欠である。また、設定する目標はできるだけ定量化しておかないと、後で達成度合いについて上下で意見の相違をきたすことになる。

・プロセス・アクション・・・目標を設定しても、そこに至る道筋や行動計画が漠然としていると、取り組みのアプローチが間違っていることに気づかなかったり、何から始めたらいいかわからないといったケースが生じる。具体的な行動まで決め、マイルストーンも設定しておく。ただし、ここを上司が決めてはならない。助言は構わないが、あくまで本人の創意に任せること。モチベーションの維持のためでもあるが、「その通りやったが達成しなかった」という言い訳をさせないためでもある。

・振り返り・・・目標管理の期間は多くの場合1年である。この間ほったらかしで定期的に振り返りを行わない、ということになるとPDCAが回せず、進捗の遅れや環境変化への対応が間に合わなくなる。

・フィードバック・・・基本的には部下の側から目標達成度を自己申告し、上司がそれを評価する。結果は面接を通じ部下にフィードバックし、反省点を次期の改善ポイントにつなげる。上司にとっては気の重いフェイズだが、ここから逃げてはMBOは全く機能しない。この時点で上下間の認識に大きなずれを生じさせないためにも、期中におけるこまめな振り返りの時間がとても重要になる。

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