2025-11-24 従業員持株制度

広い意味では報酬制度の一つということができる。従業員が自社の株式を取得することについて、会社が何らかの便宜や経済的援助を与え、これを奨励する制度のことである。持株会に加入した従業員は毎月の給与から一定額を拠出し、会社がその集めたお金で自社株を購入する(筆者が勤めていた会社では、このとき会社が個人拠出額の1割を上乗せしてくれていた。すなわち株価が一定なら、従業員は黙って10%+配当のリターンを得られるわけで、投資としては破格の条件である。なお、この会社の場合は配当金は再投資されていた)。購入した株式は拠出額に応じて各従業員に割り当てられるが、株主の名義はあくまで持株会であり従業員個人ではない。1,000円単位など少額で始められ、給与天引きなので手間もかからないから、資産形成の第一歩としては手ごろな制度と言える。

会社側から見れば、従業員の生活安定という目的の他、疑似的にであれ従業員が株主になることで、自社の経営に対する意識を高めてもらう効果が期待できる。実際に自分の財産が変動するのだから、どんなにのんびりした従業員でも自社の株価に無頓着ではいられない。また、持株会はこれ以上ない「安定株主」であるので、この割合を増やせば外部から口を出されにくい経営体制になる。

持株会が持つ議決権は、持株会として行使される。一応構成員の意見は聞いてくれるが、会社提案の議案に反対票を投じることはまずない。自分が権利を持つ分の株式売却は可能だが、申し出るとあまりいい顔はされない上、1年のうち数か月はインサイダー規制に抵触するのを避けるため売却行為自体が規制される。退職時には、単位株になっていれば株式のまま受け取り、単位未満株はあらかじめ定められた基準日の価格で売却され、現金として受け取ることになる。

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