2025-11-26 ストックオプション
企業が従業員や役員に対し、自社の株式をあらかじめ定めた価格(行使価格)で購入する権利を付与する制度。ストックオプションを持っている人は、行使価格より株価が高い場合に権利を行使して株式を取得し、それを売却することでキャピタルゲインを得ることができるという仕組みである。
ストックオプションに用いられる株式は新たに発行される新株であったり、企業が保有する自社株(金庫株)であったりするが、いずれにしてもある時点での株価と紐づいている。それが例えば一株1,000円であったとすれば、「いついつからいついつの間に、あなたには一株1,000円で、3,000株買う権利を付与します」というのがこの制度である。権利者はその期間内に株価が上昇し、例えば1,500円になっていれば、300万円で買って直ちに450万円で売ることができるというわけである。
役員や従業員にとっては、自らが業績に貢献し、株価が上昇すれば自分の利益も増えるわけだから、仕事をがんばるインセンティブにはなる。会社にとっても、1,000円で持っているものを1,000円で渡しただけだから別段懐が痛むわけではない。特に金銭的な報酬の原資が不足しているスタートアップ企業においては、優秀な人材のつなぎ留めや貢献意欲の向上を目的に、しばしばストックオプションが活用される。
ただ、権利が行使されると発行株式数が増えることになるため、一株当たりの価値が希薄化する、すなわち株価が下がるリスクがあることには注意が必要である。既存株主の持株比率も低下するため、彼らの不満を招かないように配慮する必要もある。
ストックオプションに関連する税制は極めて複雑であるが、権利者の立場で言えば、付与された時点(権利をただでもらった時点)では課税されず、行使して利益が確定した時点の「儲かった分」に対して税金がかかる、と認識しておけばよい。この利益は譲渡所得として扱われ、他の収入と損益を通算する総合課税である。

